外国人の物件探し、なぜ難しい?!【2】トラブル回避

 

第二回:トラブル回避の方法

中国語対応している不動産業者

 

(第1回からの続き)

定期借家が増え、必ず更新料を用意

JII:2年間の契約が済んだら、更新料は必ず払うものですか

見海:これは最初の契約の時に決めていますね。でもかからないところはほとんどないですね。

JII:更新料は何の費用ですか。

見海:更新するときは、更新契約書を作らなければいけないので、その手間賃です。更新料の半分を不動産に手数料として払うというパターンが多いです。

JII:なるほど、不動産屋さんに払う費用ですね。

見海:最近は増えているのは、定期借家権というもので、つまり期限が決まっている契約です。

JII:借りられる期間が決まっているもの、更新がないものですね。

見海:ルールとしては、半年前に、オーナーから「更新しない」という通知が届きます。そうなった場合は、入居者は部屋を出ないといけなくなる。しかし場合によって、再契約を認めるタイプもあります。

JII: 同じ物件に対してですか?

見海:そうです。再契約する場合は、1ヶ月分の手数料が必要になってきます。オーナーさんにとって一番ンのリスクは、家賃を払わずに居座り続けることです。
素養の悪い人に居座れるのが嫌だから、それを避けるために、2年間貸してみて、借りる人や家賃の支払い状況をみてから、また契約してもいいと思うかどうかということです。例えば、家賃の支払いが悪い人は、2年たったら、もう契約しないと言えますね。
定期借家権の場合はそう言えます。

JII:なるほど、オーナーさんにとって、マナーの悪い入居者を追い出すための武器ですね。

見海:そうですね。あとは転勤で、2年後に帰ってくるとかがわかった場合は、あらかじめ出てもらう時期を決めています。

JII:こういう期限が決まっている物件は増えていますか

見海:特にファンドが所有する物件は定期借家も増えていますね。

 

入居中の修繕費用は契約時に決めておく

JII:家に取り付けのものに関して、大家さんが補修するものと自分で負担するものはどう分けますか。

見海:基本的に契約書を見たほうがいいですね。東京都の場合、「賃貸紛争防止条例」というのがあって、敷金の取り扱い、家の修繕などについて、借主と貸主の負担区分をあらかじめきめようという法律です。一般的に、収益に必要なもの(エアコン、トイレ、水が流れないとか)はオーナーが負担する。一方、生活上消耗するもの、例えば、流していけないものをながしてトイレが壊れたとか、間違ってガラスを割っちゃったとかは、オーナーのせいではないから、入居者が自分で負担する。これが常識です。細かい修繕、電球、リモコンの電池がなくなったとかはあらかじめ契約の時に決めておきます。

JII:インターネットを新規で契約したい場合は?

見海:ほとんど入居者負担になることが多いね。

JII:古いエアコンを付け替えてほしいなどは通常に言えることですか

見海:古いか新しいかは、人によって違うので難しいので、例えば冷えないとか、においがするとかなど不具合があったら、取り換えが必要になってくるけど、古いからといっても、「何か支障がありますか」という話になってしまいますね。

 

入居時のトラブルは管理者に問い合わせるべき

JII:生活習慣などは、本人は気を付けているつもりでも、周りからみて気になることもあります。近隣とトラブルを起こしたときに、どう解決したほうがいいですか

見海:生活習慣に関わるトラブルが多いですね。外国人日本人に問わず、やっぱりゴミ、騒音、振動ですね。トラブルの内容次第で動き方がちがうね。どちらかが起こしたトラブルにもよります。
例えば、自分は何もしていないのに、他の入居者に何かを言われた場合、本人が認識できれば、本人が直せばいいです。自分が他の入居者に対して、音がうるさいとか言いづらいことがあれば、管理会社や不動産を通して言うことができます

JII:自分が気になることがあれば、管理会社や不動産に伝えればいいですね

見海:契約の時に、トラブルがあったときに、どこに連絡すればいいのかがはっきりと決まっていますので、それを確認して連絡します。

JII:トラブルを防ぐためにも、様々なことを契約時にあらかじめ決めておくのがとても大切ですね。

見海:そうですね。一番揉める要素はお金に関することなので、何のお金がいくら必要なのかを申し込みの段階で分かっておくこと、契約の内容、なんかあったときの連絡先、退居するときの方法、ちゃんとあらかじめ確認しておくことが重要です。

 

退居時の費用は変動的

JII:退去時のことについて伺いたいですが、お部屋を出るときは、ピカピカにに掃除する人がいますが、それは必要ですか

見海:賃貸の場合、退居後のクリーニング費用をどうするかをあらかじめ決めとく場合が多いですが、㎡当たり1000円ぐらい。
決まってない場合は、何も掃除しなかったら、もしかしてクリーニングからオーナーに多額の請求が行く場合もあるので、そうなると、敷金から引かれることになります。
自分で掃除することによって、クリーニングの金額が変わるということを理解しておいたほうがいいですね。
入居中に勝手に付けたものや撤去したあとに穴が残っている場合は、修復費用や原状回復費用が取られる。これはそんなにもめるようなことではないが
特にものを残して出た場合は、ゴミの処分は有料ですので、その分の費用も敷金から引かれる可能性があります。外国人の場合は、国に帰るからと言って、ベッドをそのまま残してしまったら、オーナーが処分の費用を負担しなければいけなくなります。

(つづく)

(文:楊淼 植松真理子)

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