【子育てはなぞときQ&A集】友達のおもちゃをすぐに取っちゃう!(1歳半)

※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。

※英語・中国語版あり

 

Q.友達のおもちゃをすぐ取ろうとして困っています(1歳半)

 

1歳半になり、お友達と一緒に遊ぶようになってからというもの、すぐにお友達のおもちゃを取ろうとします。

「遊んだら返そうね」とか「今遊んでるから後で借りようね」と言ったりして、

状況によって対応していますが、困っています。

 

 

A.

子どもを中心に考えた、とても優しい接し方で対応されていますね。

「ちょっとごめんね」とか「遊ばせてね」とか「遊んでるから後にしようね」とか、

子どもが言葉で言えないことをお母さんが代わりに言って関係を整理してるでしょ。

実はこれがとても大事なんです。

 

3歳以前というのは、子ども同士ではまだ上手に遊べない年齢なんです。

3歳以下の子ども同士を置いておくと、すぐに物を取り合ったりする。

「貸して」などの遊びの共通言語をまだうまく使いこなせないからです。

 

3歳以降ぐらいになると、子どもは子ども同士で簡単なルールを作るようになります。

「順番こよ」とか「後でね」とか、子ども同士が共通のルールを共有してやり取りをできるから、

子ども同士が遊べるんです。

 

子どもというのは、おもちゃに興味あるのではなくて、

そこで「遊び」が展開している、それが面白いんです

 

例えば、自分が同じおもちゃを持っていても、

お友達が遊んでいる同じおもちゃを取りに行ってしまうことがよくありますが、

それはおもちゃを取りにいくのではなく、「遊び」を取りに行っているのです。

だから、3歳になる前は、おもちゃで一緒に遊んでくれる人が大事なんです。それがお母さんです。

 

お母さんが一緒に遊んでいる子のところには、いろんな子が寄ってきます。

おもちゃを操作したり、言葉のやり取りがあるからです。

そのため当然おもちゃを取りに行きたくなりますが、その時に、

お母さんは「うちの子がまだ遊んでるからダメよ」とか「代わりにこっちで遊んだら」というふうに、

「遊び」の交通整理ができる。

そうすると、子どもによっては、相手をしてもらってそれで気が済んだりする。

他の子が取りに来た時、お母さんが「まだ遊んでる最中だから」と通訳すると、

「もう気が済んだからいいよ」とおもちゃを渡してあげることもできる。

そういったやり取りを繰り返す中で、子どもは「待って」「後で」「どうぞ」を学習していくのです。

 

 

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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)

73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』