【子育てはなぞときQ&A集】ずる賢い子への対応(3歳10ヶ月)

※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。

※英語・中国語版あり

 

Q. ずる賢い子への対応は?(3歳10ヶ月)

 

知恵がついてきて、ずる賢いことを言ったりするので対応に困っています。

ご飯を全部食べないとデザートはもらえないということを小さい頃から徹底しているので、

普段はデザートを食べたいからご飯を頑張って食べているのですが、

一度「お腹がいっぱい」と言うので許したらいつもこの手を使おうとして、

どこまで許したらいいのか迷ってしまいます。



A.

成長というのは知恵がつくことですから、知恵がつかないと困るのですが

それが大人からみると悪知恵になるのです。

悪知恵が働く子どもは、世の中にとって良い知恵もついています。

 

対応に困った時は「今ちょっと悪知恵を働かせてるね、お見通しよ」と言ってあげるんです。

 

例えばおやつを冷蔵庫からこっそり出して食べちゃった。

「チョコレートケーキ誰が食べたの?」って聞くと「知らない」って言う。

「ほっぺになんかついてるよ」とバレちゃうわけです。

子どもにお見通しですよということを上手に伝えるのも、こちらの悪知恵なんです。

 

子育ては知恵比べ、根くらべ。

どちらが勝つかというと、いつも子どもが勝つんです。

 

なぜかというと、子どもはそのことに生活の全てをかけて集中できるでしょ。

お母さんは片手間です。

だから知恵のあるお母さんも負けちゃう悪知恵を働かせるというのが子どもの特徴なので、

悪知恵が働いた時はちょっと驚きながら喜んでみせる。

なおかつお見通しの母がいるよというのを伝えてあげるといいと思います。

 

欧米は宗教があるので「神様が見てますよ」ということでストッパーがあるんです。

日本の場合はそれがないけど「神様が見てますよ」「母がちゃんと見てますよ」

ということをしっかり伝えてください。

 

ただ、その時に怒ってしまうと子どもは隠れてやるようになります。

さりげなく「ちゃんと見ててわかってるよ、今回は見逃してあげるけどこの次はないよ」と。

許すということを片方におきながら「ちゃんと見てますよ」と伝えるのがいいかなと思います。

 

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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)

 

73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』