【子育てはなぞとき講演会 Q&A】いじわるなお友達がいる。親がしてあげられることは?(4歳)

※この記事は2019年に開催された「園や学校に行きしぶるとき 親の心がまえと対応」講演&相談会の内容を抜粋し

 編集したものです。

※英語・中国語版あり

Q. いじわるなお友達がいる。親がしてあげられることは?(4歳)

 

お友達から嫌なことをされたり言われたりするから幼稚園に行きたくない、と言っています。

まだ幼いのでいじわるしてくるお友達にうまく対処ができないようです。

親としても何か手助けしたいと思うのですが、何かできることはありますか?

A.

今は小学校でも子ども20人に担任1人というくらいです。

だけど一人の担任が、1日8時間くらい20人の面倒を見るというのはかなり過酷な労働なんです。

子ども一人一人を掌握しきれない。だからこの集団は子どもにとってはきついんです。

 

それでも子どもは一生懸命、100%以上のエネルギーを使って適応しようとするので、非常に疲れる。

疲れてきた時に何が起こるかというと、そのイライラを他の子にぶつけるんです。それがいじめですね。

 

幼稚園、保育園でお友達がいじめるというのは、46年間現場で相談活動をしてきて、かつてはなかったことです。

だけど保育園に行く人が増えて、保育園が過密になってきて、その頃から

「お友達がいじめる、だから行きたくない」というのが出てきています。集団の作り方に問題があるんです。

 

ではどうやって我が子を守るかというと、疲れて行きたくないと言った時は

「疲れるよね、1週間頑張ったものね、じゃあ一休みしようか」と言ってあげるとだいぶ楽になります。

 

休むことで本当に楽になるんだな、という経験を小さい頃にできた子は幸せです。

日本では働き過ぎで鬱になる方、1日も休まず学校生活を送ってきて休むことを知らない人が多い。

幼稚園、保育園、小学校、中学校は、安心して休むことを練習できる時期なんです。

休んでその時好きな遊びをすると、リフレッシュするわけです。

 

1日か2日休んで自分の好きな遊びを心ゆくまで遊ぶことができたら、うちの遊びに飽きてきます。

だから1〜3日休むと、自分から、幼稚園、保育園に行くというんです。

そういうことなので、上手に休んでください。

 

それから、お友達がいじわるするから行きたくないということは多いです。

 

親から先生に言ってもらうと子どもはちょっと安心します。

あとお母さんがいじわるをする子に、送り迎えの時にでも「うちの子をいじめないでね」と言うといいんです。

先生が言うよりは、相手のお母さんから言われた方が効果があります

 

先生にもいじめる子にもちゃんと言ってくれる。

お母さんが問題解決力になるというのは、子どもにとって一番の安全保障です。


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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)

73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、

不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。

立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、

登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。

著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』