【子育てはなぞときQ&A集】早く寝てほしいのに、全然寝てくれません(3歳)

※この記事は2018年に開催された「幼い子との接し方としつけ」講演&相談会の内容を抜粋し編集したものです。

※英語・中国語版あり

 

Q. 早く寝てほしいのに、全然寝てくれません(3歳)

 

保育園に行くのに朝早く起こさないといけないので、早く寝かせたいといつも苦心していますが

なかなか寝てくれません。どうすればいいのでしょうか?

 

 

A.

朝起きるのが遅くなって手間取ると困るから、夜早く寝かせようと大人の知恵で思いますよね。

子どもの知恵は別で、いざその時に頑張るんです。

だから早く寝かせるのを頑張ってもあまり効果はありません。

 

睡眠時間にこだわって頑張っている方が多いですが、

眠くなったら寝るということを基本にするのがいいと思います。

 

よく22時くらいに成長ホルモンが出るからと頑張っておられるけど、脳の専門家に聞くと

夜眠ったところから2時間後くらいに出るんですって。

だから22時というのは平均値であって、その時間でないとダメということはないんです。

眠りについてから2時間くらい経つと成長ホルモンが出るから、そんなに頑張らなくていいということです。

 

人間には眠りが深い人と浅い人がいて、深い人は時間が短くても十分疲れが取れます。

浅い人は寝つきが悪くて、なおかつ寝起きが遅くちょこちょこ目を覚ます。

そうすると睡眠時間が長くなります。

 

子どもは昼間、体を使って十分遊んで、幼稚園や保育園では気を使い、それから知恵も使います。

いろんなもので心身ともに疲れるので、基本的に眠れるんです。

 

だけど、幼稚園や保育園に行かずうちにいる子で、2歳3歳になってくると体力もつくしエネルギーもあるしで、

エネルギーが余ってなかなか寝付けなくなることもあります。

幼稚園や保育園に行き始めて集団生活で目一杯活動するようになると、おのずと眠くなります。

 

眠りの深い人にとっては、そんなに時間を長く取らなくても大丈夫です。

眠くなった頃にストンと寝て、朝になるまで寝るというタイプもいるので、あまり時間にこだわらなくていいのです。

 

ただ、眠りが深い人の特徴の一つとして、おねしょがあります。

おしっこにいきたいと思っても目が覚めず、夢の中でおしっこをしてしまうんです。

そういう子はどこでおねしょを卒業するかというと、夜中に作られるおしっこを一晩膀胱でしっかり溜めておける

ようになると、おねしょがなくなります。

よく小学校低学年までおねしょがあるという話も聞きますが、そういう子は眠りが深いんです。

 

そういうことで、眠りのタイプとその子の個性があるので、あまり時間にこだわらないでください。

とにかく、起きて元気に遊んだり食べたりできればOKです。

 

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アドバイザー:内田良子氏(児童心理カウンセラー)

73年より東京都内数ヶ所の保健所にて相談活動を続け、98年から「子ども相談室・モモの部屋」を主宰し、不登校、非行、ひきこもりなどのグループ相談会を開いている。立教大学非常勤講師、NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザーも経験。全国各地の育児サークル、登校拒否を考える親の会、幼稚園などでも講演多数。著書『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』、『幼い子のくらしとこころQ&A』『登園渋り登校しぶり』